HOUSEミュージックのパイオニアとして、そしてDEEPでスピリチュアルなサウンドの探求者として、長年にわたりシーンを牽引してきたRon Trent。彼の最新作『Lift Off』が、名門レーベルRush Hourから2025年5月にリリースされた。
2022年の前作『WARM – What Do The Stars Say To You』では、DOWN TEMPOでJAZZ、AMBIENTの要素を取り入れた内省的な作品で音楽ファンを驚かせたが、今回の『Lift Off』は、そのタイトルが示す通り、再びダンスフロアへと向かう、壮大な「離陸」を思わせるアルバムとなっている。
本作は、過去10年間に制作された音源をRush Hour Recordsの創始者Antal Heitlagerが選び抜き、アルバムとして構成した。そのサウンドは、単なるHOUSEミュージックの枠には収まらない。
批評家たちは、このアルバムを「ダンスミュージックがどうなるかを示唆する」作品と評価している。70年代後半のCOSMIC JAZZ、80年代初頭のBOOGIE、そしてヨーロッパのELECTRONICAまで、Ron Trentが長年培ってきた多様な音楽的ルーツが、豊かな音のタペストリーとして織りなされている。
『Lift Off』はCLUB向けの作品でありながら、それだけにとどまらない。Ron Trent自身が「このプロジェクトは、今日知られているHOUSEミュージックのDNAの中に生きる様々なスタイルについてだ」と語っているように、このアルバムは、単なる音楽のコレクションではなく、CHICAGOハウスが内包する多様な音楽的要素へのトリビュートであり、Ron Trentの多面的な芸術性が詰まった作品。
HOUSEミュージックの歴史を築いてきた巨匠が、その知識と経験を凝縮し、新たな地平を切り開こうとする意欲作。往年のRon Trentファンはもちろんのこと、DEEP HOUSE、AMBIENT、JAZZ-FUSION、そしてSPIRITUALなサウンドを愛するすべての人におすすめしたい一枚。
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